なにに人生を賭けたのよ、バカッ
どれほど眠れれば
疲れから解き放たれるのだろうか
どんな風にはなし
どんな風にふれればよかったのだろうか
笑いを忘れた彼女の張りつめたほおに
どんなめにあった姿でも
噛みしめていた彼女の答え、
けっして正しくないと
みずから言いきかせて
あたしに横顔だけみせつづけた
さんど深呼吸をして
やっと話しかけられた
黒い爪が空気を割ろうとする
徒労を繰り返すおろかもの、
まるで明けない夢に住む
けもののように笑いだす。
卑屈になるよりも
こころを解放して
熱い憧れに対しては
素直になっても、いいよ
人はいずれの不幸も公平に
いつかは味わうようになっている
愛さえ止まらない、恐怖に身じろぎし
あたし、ようやく貴女に言えるかな
人生のすべてを賭けて
人を好きになってしまったバカひとり
ここに来た