生きてりゃいいさ
わたしの
羽根を喪失(なく)した
小さな背中を
過ぎ去った青の時代の終わりと云わないで
えんえんとつづく曇り空の下
つみかさねた罪のことも知らないのに
目の前で黙っている
白い花に
花びらだけを凍らせる冷たい息を吹きかけないで
なにもかも
終わればいいとか思わせないで
いつまで待ってもやって来ないやさしさとか
もうすぐ
訪れる
すべて諦めたあとの安らぎは
わたしのこころを静かに殺してしまい
いたみを感じてしまう生(き)のこころも
どこかそのあたりの草むらか泥のなかに
ひとつ
落とした
あの
春の
日
それでもみあげてみたらでかい青空
なら
生きてりゃいいさ