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アルファマの娘の溜め息をみた日

『短歌詩(そんな言葉、ない?)です』




あら失恋?
貴女の泣き声 こころを凍らせ
異邦の人でも 抱きしめたくなる

目に痛い
涙じゃなくて虚空にみたのは
白昼夢ではなく 透明な雪

涙など
こぼれていいけど 影ふみあきらめ
ボッチでいいけど 雲みて歩こう

かの泉
王の最期を見届けし
剣を抱きて眠りし龍おり

石畳
ガラス窓からみる空の
青より明るい 楽曲 アルファマ

狭い路地
駆け抜くちっちゃな子ブタたち
はたと止まりて 円描くトビ見ゆ

ネズミ ヘビ
見るのもイヤな 異国の人の
干支には黙って 星座で占う

おるふぇんず
言葉の響きと意味との乖離に
心に爪立てられた異国語

髪の毛を
引っ張り上げられ宙に浮く
ほどのビアンカ 急かされ ブータレ

いないって
知っても子供の頃なぜか
ハハ 魔法使いになると決めた

子犬抱き
ジョギングをするおねいさん
なにかが違う白い朝もや

「大嫌い」
嘘つかれてもわかるのは
涙の色が隠せなかいから

憎み合い
呪いたいほどの眼で刺され
愛のゴールはこれだったのか

眼よ 追うな
どうしたらいい 嫌っても
やっぱり好きが止まらないまま

あの頃が
今ではやさしい夢のよう
ただ好きなだけ抱きしめたぎゅっと

雨も止み
バイロアルトの瓦礫より
立つ虹 渡って 約束の空

メンタルが
ここまで弱って呟きが
初めてこぼれた 「すがらないから」

知らないけど
それでは貴女じゃないでしょう
それは言っちゃ いけない嘘でしょ

口紅を
よこ拭いした 鏡にすがり
涙でぼやけて ヘンでしょ 見ないで

肩を借り
今まで呑んでた街と踊った
暁のファド聴きながら

あら失礼
貴女のため息 止めたくて
口 塞ぐキス おイヤでしたか





20/04/26 08:39更新 / 花澤悠



談話室



■作者メッセージ
ずいぶんと昔に書いたものです。不思議なのは、この詩が良いというのじゃないですが、これを今書けるかと問われれば、無理、と答えるわたしがいます。詩は、魔法?不思議みたいなものですねぇ。

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