ポエム
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月光公園

真夜中に、
満月。

乾いた砂が舞う、風の公園。

イノセント、それは、
ブランコに座って
私に話しかけてきた貴方。

運命に、勝ったからな、って。

この世界の、明日を見せてやるぜ、って。

ほんとうなら
それをすべて信じたいのだけれど、

イノセント、それは、


過去に、掛けられた、枷を、引きちぎり、

未来を、閉ざす、暗闇の、壁を、蹴破り、

空気中の、原子にまで、やさしい、

月光に、照らされた、世界に、くるまれ、

天使の、視点で、神さまに、感謝している、


そんな。

イノセントなら。

どうせなら、
死ぬまえみたいに、素直になってみてね、って。
それが遺言かな、って。

イノセント、それは、
たとえようのない、
刹那の苦しみを永遠にかんじつづける絶望
であり、
たとえようのない、
喉の渇きを覚えつづけている砂漠をゆく者の渇望
であり、
月光公園、
そこにはまたしても冷たい風が吹く。

イノセント、それは、
風に破れる鏡。
鏡の破片の照らすイノセントな光の価値なら
ひとり立つ、
最果ての貴婦人でも、知っているよ?

すべてを棄てた、
無機質な、

イノセントなら。




20/04/25 20:09更新 / 花澤悠



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