ほんとうのてんしなんてしらないのです
ほんとうのてんしなんて、
しらないのです。
あなたのまとわりつくうたも、
しらないのです。
しっているよろこびなんて、
すぐにおわるし。
まちがえるとあなたなんて、
すぐにおこる。
もしあいにたいしてすなおに、
なってもいいなら。
せめてあのときのあのことばが、
うそでなかったってしんじるから。
ふたりみあげたほしがね、
またたいているあの春の空を。
はじめてみあげてみつめあった
ひとみはなやましげにゆれて
けっしてうそじゃないほんとう
ほんとうにあたたかいやさしいよる。
であったよるなのです。
けっしてうそじゃないほんとう。
ほんとうのてんしなんて、
しらないのです。
あなたのまとわりつくうたも、
しらないのです。