にやにや猫
にやにやするな
猫め
笑ってる
黒い猫が
塀の上で
動かない
朝から
よくないことでも
おこるのか
にやにやするな
猫
こころの傷が
浮かびあがる
じゅんぱくの朝日が
まぶしくて
もう
むかし
しんぞうをぐにゃぐにゃにした
からだのなかの
赤い悲しみが
こそこそと
みえない速度で
あたらしい傷のむかしの意味を
知るために
つまり
あふれ出した欲望の愛を
すり潰すために
黒い猫が
あらわれたとでも
いうつもりかい
なぁ
みてみろよ
溺れそうになる
悲しみが嫌いだ
つまり
あたふたと死にそうななか
生きるためにゆっくりと
みるべきものを
みなければならない
なにもみたくない
目で
そんな
ふじゆうな愛にささくれ立つ
悲しみの傷が
黒い猫になって
にやにや笑ってやがるのかな
なぁ
みてみろよ
そんな溺れそうになる
悲しみが
嫌いなんだよ