この猫め、あたしを孤独と思うなよ
過ぎてゆく疾風が眼を切った冬、春を信じてただ走る君
見られるのが嫌だなんて言わないで正しい片恋なんて知らない
あの雪で転んで笑われやけくそで手渡したチョコでも想いは通じた
今といふ時代をあそぶ蝶であれ艶なき日々など《をんな》の名折れ
どす黒く染まった心を簡単に笑顔で君が晴らせば星空
この猫めあたしを孤独と思うなよはらはらはらとボタン雪降る
目のまえのガラスが吐息でくもるから迷いつづけるあの名を書こうか
ほろよいでねむってるふりしてるからほっぺにかるくならいいよちゅって
大きめのじゃがいもみたいな父の背を追う路地裏ではカレーの匂い