やさしい虹
その七色の虹が
きみの瞳を濡らしたとき
白い綿毛みたいと思ったぼくは
なにもわかっていなかったんだ
かんがえることを諦めて
しまった
ただふたり蒲公英みたいに
仲良く手を振って
川べりの春の風景に
なれたものだから
かおみあわせ悪戯っ子のように
笑いあったね
蝶が舞っているのは
ゆめをみたぼくを祝ってくれるため
土筆が顔をみせて
きみをみあげて微笑んでいる
そんなかわいいゆめ
ゆっくりと深く呼吸をして
きみの吐息の悩ましさより
やさしい心をみせてほしい
なんということもない
ふだんのきみの
ぽかぽか
ふたりはぽかぽかになり
瞳にやさしい虹が架かる
やさしいはるのはじまり