闇の音楽
ときどき考えるんだ
涼しげな瞳を
そっとつむるあなたのうたも
月がふらす星々の瞬きのうたも
闇の音楽なんだろうなって
あるものは産まれ
あるものは亡くなり
振り返ってみれば
ただ嵐の時代に舞い踊らされている
人形なのかもしれないね
この怒りさえすり減らした夜に
このしずかなうたをうたっているのは
ただの感傷のつもりなのか
そうでないのかも
もはやわたしには
わからない
そうしてあなたのその息が
アブクとなってそうして割れて
そうしてすなおなうたになる
のかどうかも
わたしにはとうてい
わらないことなんだ
そうしてだからこそそれが
それが一番すなおな
闇の音楽なのかもしれないね