おぼろじゃ、嫌い
冬におぼろな月が似合わないって
知ってた
私に
あなたが似合わんみたいなもんでしょ
しずかな町で産まれた育ったから
都会の喧騒が嫌いだ
何処へ行っても方言がぬけず
ふと居場所を探してしまう
いつもおなじで
ひとりっきりで生きている
うそさ、
そんなことないやん
一人暮らしなんてしたことないし
この方言があたりまえの街でしか
暮らしたことないやん
カァー、カァー、
って泣きながら
黎明カラスよ、泣きながら
心を掬ってくれないか
でもね、
でも、
いつもカラスは泣くばかりだって
知ってた
私が
あなたに癒されてるんだって知ってた