ポエム
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微笑んでおくれ、女神さま




風の噂に聴いたこと
世界の果てに女神おり
白い罪びと、裁くとき
慈愛と光に満ちている
聖なる瞳に映された
とてもしずかな哀しみを
だれにもみせずにうなだれる

深夜つめたい月光に
照らされながらぼくは起き
しずかな光がさらさらと
眠るしかばね起こすとき

善よりかなしい、愁いの女神の
甘く蕩ける匂い、吸う

もう、忘れることなど、できませぬ

女神は、か細く、冷たい、指で
ぼくの、頬っぺに、ツー、と、触れ、
でもきまじめに、泣きそうな眼で
ぼくをみながら、ウインクしている





風の砂漠の
オアシスに
白い罪びと、いるという
聖なる泉のそばにいき
しずかに揺れてる女神の目を見て
とても綺麗な哀しみが
乾いたみたいと、嘘つき、みつめる

深夜つめたい月光に
照らされながらみつめ合い
しずかな光がさらさらと
眠るしかばね起こすとき

ぼくよりかなしい顔をして
甘い匂いの息を、吸う

もう、忘れることなど、できませぬ

女神は、綺麗な、冷たい指で
夜の帳をそっと引き
それでなくても泣きそうなのに
無理に笑ってぼくへと寄り添う





20/02/28 01:40更新 / 花澤悠



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