落花
わたしの羽根もない小さな背中を
過ぎ去った雪の思い出の終わりと云わないで
曇り空の下
つみかさねた罪とか知らないのに
目の前で黙っている白い花に
胸を凍らせる冷たい息を吹きかけないで
なにもかも終わればいいとか思わせないで
いつまで待ってもやって来ない暖かさとか
もうすぐ訪れる桃の香りの安らぎは
この身を纏う空気を優しくしてくれるはずでも
そんな夢を見るヒカリの輪っかも落とし
いたみを感じてしまう生のこころもひとつ落とした
20/02/26 02:57更新 / 花澤悠
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