ポエム
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天使強奪

さみしい~よるは~
あな~たに 会いた~い~
こない~あな~たを~
おま~ち~は しない わ~~

天使の~くちびる~
わた~しに ちょうだ~い~
あなた~の 天~使~を
わた~し~が もらうわ~~

それは夜中の2時過ぎだった
ヘンな歌うたって千夏が沙耶ちゃんを
奪いに来た。
合い鍵で、ドアーを開けて、
うた歌いながら死に神みたいに真っ青な頬をして
目の焦点も合わず
私とは視線も合わせずに、
髪の毛は濡れていた
そういえば
外はつめたい雨が、さやさやと降っていたっけ
まるでロックオン済の獲物のように
一直線に沙耶ちゃんへ向かい
その腕を引っ張って引きずり起こし
そのまま私には目もくれず
沙耶ちゃんを両腕で軽々と抱え込み
滑るようにこの部屋から出て行く
『待ってッ!」
その声に反応し
一度玄関で立ち止まり、
今度は私の目を
殺したいほどの眼力で睨みつけ
『あなた~の 天~使~を
わた~し~が もら~うわ~~』





20/02/15 06:52更新 / 花澤悠



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