その願い、忘れない。
その願い、
真夜中に花束でぶたれ
その白く凍てついた頬が
濡れている
その願い、
ドラゴンが嵐の空を翔ぶのを
黙って見上げている
その願い、
すっかり怯えてしまった貴女は
恐怖の嗚咽をこらえながら
忘れない、
竜め、竜め、竜め、と
夜通し壊れつづけている
その願い、
壊れてしまった眼差しを
もう一度だけ見つめてあげるから
その願い、
春日のような爽やかで暖かな微笑みを
もう一度だけでも
魅せてくれないだろうか
その願い、
それでもう誓ってしまってもいい
貴女を幸せにしてあげる
その願い、
それでもう世界から逃れてもいい
私も幸せになれると誓う
忘れない。