粉雪のように
いつまでも、眠っていたい
冬の朝のことです
じぶんから逃げ出した
ふりつもる悲しみから、
追いつめられた仔犬でさえ
それでも牙を剥き
過去と戦おうとしますが、
私は、さみしく、
朝の布団にくるまり、眠りつづけます
雪のふらないはずの街に
虹をくぐり抜けた粉雪が、
さらさらと、さらさらと、
風に吹かれて舞っています
もし、あのけがれ果てた罪を
神さまだけは、赦してくれるのなら、
そうして、いつの日か空に昇れたら
たったひとりでこの街をみおろし
そうして、そののち、
雪になって、
この街にふりつもりたいのです
それまでは、さみしく、
朝は布団にくるまりつづけます