そしてしあわせな夜へ
あたしの祈りを
占うにつけて
星占いなどあてにならないと
言いたくなるんだ
知らされる
思いどおりにならない街だと
蜂の巣をかつて駆除しようとして
美しく透きとおるハネに見惚れたことがある
その美しさは天上の生き物のようで
架空の天使の原型とはこれかと
ハチに刺されながら
苛立ちながら
思ったのを覚えている
その夜こっそりすすり泣きながら
だれでもないこの
あたしのこころを守らなければ
だれも幸せにできないと言い訳して
よこしまな計算に
身も心も委ねてしまったこともある
掻きむしりたいほどの
嫌な過去で
二度と見たくもないほどの
あたしの身体と心の弱さ
心はすぐ簡単に
殺されてみたりして
心は棄てられた塵芥のようなボロ切れになり
もう耐えられない痛みが
安らかな眠りさえ
奪っていった夜
たった一度の夢の中でのような
あなたとの逢瀬が
明けない哀しみを炭酸水の泡のように
はじかせて
この
あたしのこころを甘い癒しに誘ってくれた
ひとりでは
だれも幸せになれないと知って
無垢な笑顔がこころの野の花に風を呼び
あなたの人生の中でだけあたし
身も心も
今も未来も
もう星空に祈らなくても
こころのいちばん深いところからの
しあわせになれるのかもしれない