イノセント(天使の視点で神さまに感謝している)
砂が乾く、風の公園。
ブランコで立ち漕ぎして
私に話しかけてきた貴方。
運命に、勝ったからね、って。
この世界の、明日を見せてやるぜ、って。
ほんとうなら
『なにもかも見える目』が欲しいのだけれど。
掛けられた枷と暗闇の壁を蹴破り
空気中の分子原子まで月光に照らされ世界を
あたたかくしてあげたい、
って。
天使の視点で神さまに感謝している
イノセント。
どうせなら、
死ぬまえみたいに、素直になってみるからね、って。
それがイノセントかな、って。
たとえようのない、
刹那で永遠の絶望であり渇望であり、
月光公園、
そこにはまたしても冷たい風が吹く。
風に鏡、
鏡の照らすイノセントな光の価値なら
ひとり立つ最果ての人でも知っているよ?
すべてを棄てた、
悲しみの天使でも。