ララバイ歌ってくれないか
時間が喉元を
締めつける
遠すぎるじゃないか
その朝
なんにもならないこの部屋で
ララバイ口ずさむ、ほの白い喉
ゆうったりと揺れながら
小さな口で
メロディーレイン、でね?
生きてくことって
勇気が要るよね?
愛とか恋とか桃色の
話ばっかり
しないでよって、ね?
いつまで待っても
はじまらないから
ちょっとずつ暮らしが
腐ってくるから
時間が喉元を
締めつける
休日の
ほの暗い朝には小雨
かき消すために
君を抱きたい
そしてふたりで
空まで行こうか?
吊り下げられた
夜の残り香
あの布団の下で
震えて転がっている
ただただ凍えた肉を
怯えてみていたね?
ときには、触れたり、ね?
どこまで逃げても
逃げきれないあの
妖美な香りの
する微笑みを
棄てるというより
失いたくて
ポロポロ、泣いた
泣いてたね?
歌い尽くして
疲れ果てたんだよね
子猫ちゃん?
でもまたさ、
ねぇ、
いっしょに、
ララバイ、歌ってくれないか………
25/10/13 07:04更新 / 花澤悠