ポエム
[TOP]
あの娘のこどくな微笑みを美しいと思ってしまった僕は
僕には、聴こえたんだよ、あの娘の
こころの(それこそ、まごころ笑、の)、
声が。

───────────────────────

あたしにはまごころしかないけど、
じぶんでじぶんを信じてあげるわ

もう、いいんだ
理屈なんかじゃないんだ
あたしがあたしを知っている

ほかには、
なにもないから

ひとりぼっちの寂しさや悲しさは
それはいくらかあるとしても、さ

一晩ねむれば忘れられるわ
忘れなければ、つらいおもいで、
忘れ薬で、忘れてしまおう

あたしは、空っぽじゃない

きよほうへんで、こころが、揺らぐし、
人の悪意で、傷つくし、
人の憎しみ、こらえきれずに
崩れ落ちちゃうときもある

でも、そんなときも、
じぶんをてばなさないで
ちゃんと立ち上がれなくても
ず~っと前をみて
前だけをみて
じぶんをたもちつづけていられるのは
いつまでも、ぜったいぶれない
えいえんに、ぜったいぶれない
(それは、死ぬまで、かもしれないし、
(それこそ、死んでも、かもしれない
こころをもっているから

そして、
そこにあるこころがまごころなんだ

けさ起きあがって
朝日が射しはじめるこの街をみおろし
よし、生きていこう、とおもえているのも
そのこころのおかげなんだ

それを信じるんだ


あたしにはまごころしかないから、
じぶんでじぶんを信じてあげるわ


───────────────────────

その声が聴こえた(?)から、
彼女をガン見してしまったとき、
目と目があった瞬間、

こどくを顔にはりつけたまま、
微笑ったんだよ、
その微笑みを、
(美しい)
と思ってしまったんだ

だから、僕は、
こんどは彼女の
いっぺんのかげりもない笑顔を
みてみたいと願うんだ

僕のなにもかもを、
捧げても、いいから
僕のちっぽけな未来など
くれてやるから、
彼女のまんめんの笑顔を
みてみたいんだと、祈るんだ



19/08/02 06:56更新 / 花澤悠



談話室

TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c