ポエム
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詩のうた


昨日初めて読んだ詩が
こころの中から離れない
魂だとか
言霊だとか
そんなもんを信じているわけじゃないのは
云っとくぞ?

こころを
侵食しやがる
こころを
食べ尽くそうとしやがる

なんなんだこの詩は、よ

なんどもなんども
透き通った悲しみだけを
オレに与えて、よ

ほかのなににも手がつかないほどの
オレのじゃない悲しみを

赤の他人のこのオレに与えて、よ

満足か?

悲しみなんて
人類平等に与えられている
数少ない永遠のひとつだから
それなりに美しいとはいえ
あなたの詩からわざわざ
受け取る必要などないとオレは想うぞ

なんども、なんども、だ

なんども、同じ悲しみにさらわれる
どよもす大海の波に
流れるように、さらわれるように
そして、連れてゆかれるように

悲しみは
この詩が与えてくれた媚薬
それはいいことなんだろうか?
こんな世界で生きてゆくのに
頼るべきよすがに
なっただろうか?

それは宝石のような問いかけだとおもうが、

ただオレは
昨日読んだ詩のことを、
好きなのかどうかも
わからないままなんだよ、たぶん死ぬまで







25/08/31 11:56更新 / 花澤悠

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