波
朝焼けの中に立つ
鏡の中の骸骨たちのうたを聴く
生きることを問う愚かな夢を
みくだしかき消すようなまなこを開け
そのとき聴こえた朝の波の音を
白いしぶきのつき刺さる冷たさで知る
朝の波の声を聴かせてほしい
心を凍らせ息を止めているから
朝の波のきっさきに心臓をつき刺されて
そのときは淡い希望の笑みでわらうから
アスファルトに横たわる影が
僕が動けなくなった怖さ弱さだと知り
起きて目覚めて朝焼けの中で
心の奥底でみる夢は
まっすぐに進めない世界の鏡を割り
キラキラした骸骨のカケラみたいな輝き
ひっくり返った地面の穴へと逃げ込む
じぶんよりもたにんが好きな僕に似て
いだいた君の手もキラキラな骸骨
なんどもなんどもくり返し打ち寄せる涙
眠りたいまま朝だから起きる
だれにも知られない憎しみだけ波に流し