蛇は、あたしが、愛しましょう。
誰が私を、好きという?
宝物の皮をむくの?
売れれば、嬉しい。
無味無臭のはずよ。
ちょっと、冷たげでしょ?
猛暑には、いいかもね。
気味悪いって、言われた過去もある。
蛇には蛇の、矜持があるから。
夕陽のなかでも、泣かないわ。
誰が?
楽しみだわ。
誰が、私を、好きと、言うの?
なーんてね、自虐的な蛇さん。
あたしの、ラブリー蛇さん。
あたしのこの眼を見つめて、
『誰が、私を、好きと、言うの?』
って、訊くのね?
ああ、いいよ。
あたし、って、答えるよ。
そんな、蛇革の財布になりたがってるような、
悲しみのエンジェル。
あたしも、また、同じ悲しみの、
けれど、堕天使。
あたしが、あなたを、好きと、言うの。
いーい?
すべてが徹底して突き抜けた
一切の妥協のない愛の手で、
ええ、
あなたを、包み込むように、
好きと、言うの。
いーや?
イヤって言っても、知らない、からね。
ね?
仲良く、する?
蛇は、あたしが、愛する、ものよ。