ポエム
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夢のなかの風景


 
緑のバラを、想った

深緑の森や林の木々のなか
目立たない色で
保護色で
きっと
生命を長引かせるために
子々孫々繁栄させるために
種として生き延びるための
色として
生きるあかしの
緑のバラ

ふと、想った

それで、
バラである意味など
あるのだろうか?


真紅のバラや黄色いバラ
幻の青いバラや
あの紫のバラ

それらの
華やかさが
バラかバラとして生きる意味だとすれば

ほとんど
確信めいて
泣きそうになり
なんだか
やさしい眼差しを
かけてあげなくては


想った

緑のバラ

ありように

なんだか
なにかに似てるなぁ
なんだか
だれかに似てるなぁ

そんな想いが
ふと、
あたまをよぎった

そして
なんだか
ただ蒼空が無性に恋しくなった

そして
こころの奥のほうの泉に
なにかちいさなものが
落ちる
音がした


そのあとに
こころが静まりかえった

それから
しばらくして

そういえば、と

ふと、
想った

緑色のバラって
私はみたことがない

それっぽいのって
ほんとうに
あるのだろうか、と







24/11/02 09:36更新 / 花澤悠



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