乱れ髪
(短歌9首)
すこしだけ
助けてほしいと君をみた
僕の電波は受信できない
真っ白な
背中の線が好きだって
「なにそれ?」じゃない、なぜだか好きだ
恋なんて
遊びでできるとうそぶいて
いたあの頃のオレの白痴さ
猪が
僕の心を奔り抜け
これが怒涛の恋だと知らせる
みかんとか
こたつがすこし懐かしく
こんなはずではなかったひとり寝
唇は
あの闇の中あなたのと
触れてそのまま火傷したまま
枯れ枝に
積もるエーテルなどみえず
青い空からただ小雪落つ
冬が来る
その日に冷たいキスをして
風に吹かれて出てゆく終幕
ああだから
乱れに乱れたこの髪の
整えかたを教えてほしい