白兎
ほんとうのほんとうに
天国を信じてないひとなんて
いるんだろうか?
うちは
短命な家系で
父は私がもの心つくまえに
母も五十台前半で
姉も十年以上まえに亡くなっている
そのひとたちが
天国に行ってるなんて
想ったことはない
ひとも生物のはしくれ
猪がそうであるように
鹿がそうであるように
蝶がそうであるように
菊がそうであるように
松がそうであるように
牡丹がそうであるように
命を終えれば無になるのみだろう
ホモサピエンスといえども
命を終えれば無になるのだろう
だから私の周りにいたひとたちはみんな
無に帰って行ったのだと
想っているよ
それでもわがままなわが身を振り返ったとき
死ねば天国へ行きたいなぁと
ふと
想ってしまうのだ
でも
だから生きていられるのではないかとまで
想ってしまうのだ
小連休
昨日出雲へゆき
大社にお参りし
日本海をみて
そんなことを考えた
べつにキリスト教徒でも
ユダヤ教徒でも
イスラム教徒でもないが
宗教に対してのほんと生きている
いち日本人の持つ感覚の『天国』
そこにゆけば
しあわせになれるという
ガンダーラみたいな『天国』
死んだらそんなところに
行ければいいなぁと
ふと
想ってしまうのだ
白兎
みたいになります汚れずに
だからむかしの罪を許して