白昼夢
たった、ひとつでいい
上手な恋がしてみたい
なんて想ったら
あたりまえみたいに泣けて来ないか?
わけもなく好きになるこころが恋なのに
それを器用な考えで
そのひとのことを好きになるなんて
損だとか得だとか、
上手だとか下手だとか、
狂った頭が恥ずかしげもなく
云い出したりしたら
その狂った頭を持ったこころでは
恋なんて
できやしないって
云っているんだよ
ほんとうに、そうさ
恋なんてしなくても
ひとは死にはしないから
恋なんてしょせんは
ただの人生における
白昼夢でしかないから
食事や飲み物や
本やスマホや
靴や洋服みたいな
ぜったいに要るものじゃないから
なんて、もし本気でそんなこと
想っているなら、ちょっと呆れながら
空をみあげてしまいそう
でも、それがほんとうなら
それはとても器用な考え方だね
器用な頭を、持っているんだね
それを誇るのも、べつにいいと想うよ
ただ、
初恋を想い出すとそうだし、
それからのちも
ずっと恋心を抱くたびに
きっと、
恋は、
やっぱり、
夢だったから。
愛は、
実用性が少しはあるかな
でも、
恋は、
夢だから
なんて甘い夢をみて
みつづけて生きる希みを
棄てないじぶんを
褒めてあげてもいいと想うよ
恋するひとたちへ、捧げる
ホワイトチョコレートみたいな、言葉だよ
ねぇ、
『白昼夢をみつづけて、生きてゆこうよ』