夢の中のうた
とてもゆっくりと
時計の音が聴こえる
安全ではいられないと
わかっていながら
やめることのできなかった指切り
とても綺麗な夢の中で
出逢えたあなたは
なぜか泣きながら笑っていた
涼しい風が吹いて吹いて
あなたの長い髪を踊らせていた
とてもゆっくりと
心の大切なひとコマが崩れ落ちる
悩むことをやめたときから
秋に枯葉が舞い
冬に小雪が舞うさまを
切実にみたいと希んでいた
もやがかかった白っぽい夢の中で
とでもちいさな町の
古びているけれども
小綺麗な美術館のような教会で
銀色の鐘が鳴るさまを
熱心にみあげていた
静かに微笑んだあなたは
さっきまでの涙を忘れたみたいに
なんだかしあわせそうにみえた