ポエム
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夢の中のうた


とてもゆっくりと
時計の音が聴こえる

安全ではいられないと
わかっていながら
やめることのできなかった指切り

とても綺麗な夢の中で
出逢えたあなたは
なぜか泣きながら笑っていた

涼しい風が吹いて吹いて
あなたの長い髪を踊らせていた

とてもゆっくりと
心の大切なひとコマが崩れ落ちる

悩むことをやめたときから
秋に枯葉が舞い
冬に小雪が舞うさまを
切実にみたいと希んでいた

もやがかかった白っぽい夢の中で
とでもちいさな町の
古びているけれども
小綺麗な美術館のような教会で

銀色の鐘が鳴るさまを
熱心にみあげていた

静かに微笑んだあなたは

さっきまでの涙を忘れたみたいに
なんだかしあわせそうにみえた






24/09/05 06:50更新 / 花澤悠



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