ポエム
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十字架


どこにも、辿り着けなかった
後悔のなかの幸せが
ひとかけらの希望のために
夜空にキラリと十字に光る

星々が、鮮やかに視えるのに
小雨が降って来て
夜空をみあげてる僕の顔を
ゆっくりと濡らしてゆく


僕には、帰り着く場所もなく
秋の枯葉の舞い落ちるまえに
ゆきたい広場があるだけだ

見も知らないちいさな町へ
どこか遠くの異国へ
かなたの向こうの最果てへ

いってみたいと、希むのではなく
磨りガラスごしにみあげる
晩夏の星々がなんだかぼやけているのは

僕が、煌めく朝日のことを
待っている疾しさのせいなんだ
じぶんじしんに、そう云いきかせて

よるべなき、ガラクタの心に蓋をして
胸の十字架を硬く硬くギュッと握りしめる

てのひらを刺し、血を流すほど冷たい



24/09/04 04:49更新 / 花澤悠



談話室



■作者メッセージ
さつきのは、いま書いた詩。
これは、昨日書いた詩。
あとひとつ昨日書いた詩があるのですが、三作とも、変に暗い。
どよーん、とした感じ?
もっと、スカッと、生きたいなぁ。

てか、その前に、寝なさい、とだけ、云っておく。

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