夜にしか咲かない
(短歌八首)
夜にしか
咲かない顔をした花の
濡れたほお撫で震えを止めたい
亜麻色の
髪をなびかせ駆け降りる
君がそのまま静止した夏
高速で
逆走するほど投げやりな
死んでもいいよなこの恋よ、止め
孤独さを
十七の冬知ってから
鳴り止まないまま、そらの極星
元気です
すれ違いざま視線あげ
わかれたひとに無言で告げた
傾向と
対策なんてあるのかなぁ
恋とか友情、しあわせ、生きざま
倦怠の
気持ちが後遺症ならば
死ぬまで、こんなに、笑えないのか
忘れない
で、という気持ちを告げていた
ことさえ忘れて、しまいたい夜