夜のうた
闇よりも
静かなうたが無いのなら
うたも聴かずにただ眠りたい
神の目を
恐れてしまう満月の
たまにはやまいに疲れるひととき
喜びも
ちっちゃな声で云うだけじゃ
伝わらないからセピアに変わるよ
夜よりも
やさしいときは無いという
歯に沁み入るほどの真実を云う
泣かないと
子どものころに誓ったが
いま哀切が目にしみる文字
なんとなく
生きているのはなんとなく
生きられるから、愛も知らない
手に持った
氷は凶器に変わるから
両手でくるんで温め溶かそう
夜が好き
いつまでたっても眠れない
さみしくもないひとりが大好き