ただ、夜を歩くのです
強すぎる
わだかまりが
嫌で、
夜を歩くのです
だれにも伝わらない
わかってももらえない
プライドを棄てたから
夜を歩くのです
すべてを手っ取り早く終わらせるために
生きてきたわけではない
夜を歩いて
たどり着いたコンビニで
お弁当を買って帰るのです
鳥南蛮です
でも野菜がすくないので
オニオンサラダもいっしょに
すべてを終わらせるためには
なにをすれば良いのかな?
そのお弁当の
タルタルソースの味で
お母さんのことを思い出しました
ずっと少女のようで
あれほどいいひとだった
あのひとが逝っても
すべては終わらなかった
なら、
私がいなくなっても
世界はなにひとつ変わらないのだろう
そんな孤独が覆う紫いろの空の下
別にどこへゆくわけでもなく
お腹もいっぱいになったので
ふたたび夜を
ただただ、ただただ、ただ、
夜を歩くのです