残光よ
世界が 平和で あることを
むろん みんなが 祈るとき
そんなに 長くは ない夕べ
赤い 夕陽が 沈むとき
悲しみ なんて なくなれと
じぶんに 向かい 祈ります
そして うっすら 残光が
水平線に 溶ける ころ
白く 濡れてる 砂浜に
折れた ナイフが 刺さります
世紀末 さえ 乗り越えた
地球と いう名の 方舟に
いつしか 鴉が 消えたのを
だれも 知らずに 団欒を
過ごす 時間に 幸あれと
海辺で 懺悔を 捧げます
寄せ来る 波は 諦めず
いついつ までも 夢みます
あすは 未来に 追いつくと
証拠も ないまま 信じても
夜は ゆっくり 口を開け
世界を ごくりと 呑むのです
映像 だけが ゆっくりと
ひとつの 世界を 終えるから
その 過ちも 後悔も
認め メガネを 置くのです
悪い 目をした 訪問者
寒い 夜には 星の声
夜は ひとりが 寂しくて
花を 求めて 語りたい
光る 想いで 泣くのです
ねぇ残光よ 目を 閉じて
愛すと 云うなら 眠りましょう