せきらら
私は
詩人ではないのなら
よかったのに
詩人を誇りに想う想いを
持たない詩人なら
まだよかったのに
私は
詩人でなんか
なくてよかったのに
繊細な気持ちや
センシブルな孤独なんて
まるで持ち合わせていないもんだから
私は
詩人なんて
はじめなければ
まだよかったのに
はじめてしまったからには
終わらさなければ終われない
ウロボロスじゃないんだから
じぶんじしんを咥え込んで
前に進めない日々なんだ
詩を書く日々なんて
なんて想いながら
終われない
終われないままこんな目をして
詩を書いているありさま
私の
詩人と云えば
あのひとのことなんだから
私は
詩なんて
書かなくてもよかったのに
あのひとの詩が
もう読めないものだから
あのひとの代わりに
詩を書いて来たのだろうか
詩なんて
書かなくてよかったけど
詩を
書かずにおれないのは
詩人なんだからだとすれば
なぁ私よ
私は
詩人ではないのなら
よかったなぁ
ほんと
振り返ると
過去が眩しいよなぁ
私は
詩を
心の底から好きにならなければ
よかったのになぁ