ポエム
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そのままのままで


一握りの朝が
窓をすり抜けてこの部屋に入って来る

朝焼けの美しさとは永遠に近いんだから
その朝は遠慮なく
トランペットで
だれもが起き出すやさしいメロディーを
奏でてくれればいいのに


ぶ──────────────────ん

除湿器の音が
気になるくらいに
静謐な部屋にひとり
影まで孤独な七月に

病んでいるわけではなく
ひとりが怖いわけでもなく
死んでいるわけではなく
死にたいわけでもない

一握りの朝が
ほんのりとじんじんと
私の冷たい瞳をあたためて
なにかを伝えているのだろうが
わからないまま
わかったフリで
起きてしまう
それは朝をいまいち好きになれないまま
夜は心まで冷えるのだけれども
甘くて切なくて愛おしい深い帳に隠された
憧れのあのひとの匂いがするのが
好きだからだ

元気になれたらいいのだけれども
ゆっくりとひとつづつ
美しさを探して
まっすぐに広がる朝から始めて
そのままのままで
なにも怖がらずに
ゆったりと生きてゆければと想う

そのままのままで
元気になれたらいいと想う









24/07/17 14:56更新 / 花澤悠



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