ふたりで、この世界で。2
2 (あたしに会いさえすれば、)
なんか、
のら犬のつぶやきが聞こえるよ。
あたしに会いさえすれば、
なにかが変わるとか、
新生できるとか、
そんなの、
なにかから逃げてない?
あたし、
好きじゃない。
あなたは、
あなただけで立っているよ。
その足は、
しっかりと大地を踏みしめているよ。
あたしに愛想尽かされたって思うなら、
あたし、見返してやろうって、
思ってよ。
戦ってよ。
いざ、戦いになったら、
あたしは、絶対に、負けないけど。
せめて、怒ってよ。
あたしを、いまだに忘れられないとか、
ぶざまなセリフは、はかないで。
あたしが、惚れたのは、
そんなあなたじゃないから。
昔の戦場を描いた物語のハードな言葉に、
男には、戦わなくてはならないときが、2度ある。
1度は、好きな女を奪われたとき。
1度は、好きな女を殺されたとき。
ていうのが、あったけど、
自惚れでなければ、
あなたは、あたしを好いていてくれた?
のなら、
あなたからあたしを奪ったのは、
他ならない『あたし』だよね?
なら、
あの、昔の誓いを知っているものなら、
あなたはあたしと戦わなくてはならない。
さあ!おいで。
あなた、可愛がってあげるわ。
あたしは、ここよ、
ここにいるわ。
見つけだしなさいよ、
ちゃんと、捜し当てるのよ?
あたしは、ここよ、
ここにいるわ。
ここで、あなたを待ってるわ。
ええ、
誰にも殺されずに、待ってるわ。
じごくの女と、呼ばれながら、ね?
あなたにもう一度会える日だけを
楽しみに、ね?
ええ、
ずっと、待っているから。