ため息も蒼く冷たいひとりの部屋で
(短歌八首)
花が咲き
小鳥が歌う森の奥
そんな嘘だけ酸っぱく聴こえた
生々しい
味するみたいな君の部屋
くつろげるんだ本の匂いが
お日様の
残り香を吸う路地裏で
足を引きずり向かう闇闇
サラダって
料理が微かな求愛に
なるのは誰かの記念日のせい
星屑に
プラネタリウムでゆけるなら
ふたりの夢も前途洋々
繊細な
病んでるほどの生きざまを
歌にしたのは深海魚の口
ため息で
蒼く染まった心臓に
冷えたキスする罪にじむ部屋
花が舞い
小鳥飛び交う光る朝
さっきみた夢つたえたいひと