夜のうた
(短歌九首)
たんぽぽの
綿毛で耳をくすぐられ
てる気になるね君の囁き
夜が愛
しあう心を深めても
光ってしまうわたしの瞳
ひとはひと
だけを考え生きている
蛇もひとのことを想う夜
鬼が住む
胸の隙間に風が吹き
悲しみ色の夜に懺悔す
灰色の
ひとの想いはほんとうは
白くなりたくからだを拭く夜
この夜は
眠れなければそれでいい
隣に君がいる夢の夜
賑やかな
笑いが耳から離れない
あんな風には笑えないから
あのひとが
生きてる理由というホント
笑顔がグサリと刺さった夜から
天国に
行けなくってもいい感じ
おだやかなまま死んでゆければ