ときのうた
(短歌九首)
寒いのは
からだが感じる「とき」じゃなく
君の言葉が胸刺す喪失
夜が泣く
なんか場末の居酒屋で
突っ伏して泣く酒に呑まれて
楽なフリ
だけは忘れず人間を
つづける気でいた懐かしい「とき」
喜びを
好きだと云うのは当然か
僕は悲しみだって好きだよ
リクエスト
されてキライなうたのこと
ちょい好きになる心ってたいへん
ただ馬鹿が
このままずっと離れない
やっぱ死ななきゃ治らぬやまいか
野の花が
なにもほこらず咲くさまが
一番綺麗とうたう歌い手
そのまんま
生きればいいと信じても
美味しい「とき」を希むぜいたく
天国の
ホントを誰もしらなくて
アウトもセーフも決められなくない?