そんな目をして、どうして愛を手ばなすの?
そんな目をして、
どうして愛を手ばなすの?
ぼやけて明るい、
たちこめた桃色の水蒸気でみえない。
曇り空に流れる涙の川から
雨の雫が、
なんぷんもかけて
あの頃の優しかった
仲良しの学級委員長だった彼女に、
ぽつりぽつりと落ちる午後、
ごめん、もうがんばれない、これ以上
なにもいらない、って小声でね、
それでも、『助けて』とだけはいわないから、って。
そんな目をして、どうして残暑を乗り切るの?
ぼやけて明るい、静かな海上には、
誰にも望まれない、蜃気楼もみえないのに。
黄金の暖かいこだわりの生々しい供物が
それは食べ物ではなく、
私のラブ&ジェラシーなのに
むろんよ、あなたいがい、その暖かさを知らない。
その狂おしい暴風雨まがいの
好き好き大好き殺したい、あの、触感も。
そんな目をして、どうして残暑を乗り切るの?
って?
知らないよ、残暑なんてさ。
秋が、ほら、もう、ここに、
ここにきてるんだから。
それを知っていても、
どうしても、愛を手ばなすの?
ぼやけてみえない、
もう2度と出逢えないと知っている
いまやガラクタとさえ呼べない
ぐっちゃぐっちゃの、愛の哀しみ。