よるのうた
(短歌九首)
よこで寝る
スマホの虜の彼女さえ
心を血濡らす悪夢に泣くよる
時は過ぎ
夢は遠くにみえたよる
眠れないほど熱すぎる息
世界さえ
燃やし尽くしてみたいゆめ
実はいまだにみたこともない
心まで
堕ちゆく罪をしっかりと
噛んで傷つくほの弱いサガ
ずっと待ち
流されもせず待ち続け
さみしい恋の色使い知り
泣く声が
しあわせ色にみえるから
光の虜になって抱くよる
より近い
ひとりの孤独を棄ててでも
とおくの愛を追い追う潮騒
舞う声や
いざなう両手がいやらしく
騙す悲しみさえも濡れてる
悲しみの
夜の夜中に絶えず散る
蝶々の羽の鮮血の声