ポエム
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雲の骨



  

雲の骨が
うしろから溶け始めると

唇を真っ青にした
罪人が夜の銀色の街を歩きはじめる

袖を引かれ突然に微笑む唇の形は
すこし照れて君の愛をそのままに抱きしめる

いっしょには散歩もできない影ふたつ
月の囁き声の降り積もる道に足跡

だれでもないから光り輝く未来の先の闇
とどまる世界の記憶は辛くこころを撃つ

そらもうみも銀の月の雫に溶けて
孤りの夜を過ごす暗闇に流れる甘い恋心

雲の骨が
めのまえで蕩けはじめると

罪を知る美しい女神のような君は
なにかを決意したまなざしで

醜くもおぼろなこの街を眺めて
夜が更けてゆくにまかせる繋がるのは鎖か

繋がるのは蒼い鎖かくれないの糸か
わからない未来はちょっと危ないまま

そこに在る一夜で芽生えた恋心
魂と魂をいだきあい温めるしめやかな雲の骨








24/03/02 00:58更新 / 花澤悠



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