雲の骨
雲の骨が
うしろから溶け始めると
唇を真っ青にした
罪人が夜の銀色の街を歩きはじめる
袖を引かれ突然に微笑む唇の形は
すこし照れて君の愛をそのままに抱きしめる
いっしょには散歩もできない影ふたつ
月の囁き声の降り積もる道に足跡
だれでもないから光り輝く未来の先の闇
とどまる世界の記憶は辛くこころを撃つ
そらもうみも銀の月の雫に溶けて
孤りの夜を過ごす暗闇に流れる甘い恋心
雲の骨が
めのまえで蕩けはじめると
罪を知る美しい女神のような君は
なにかを決意したまなざしで
醜くもおぼろなこの街を眺めて
夜が更けてゆくにまかせる繋がるのは鎖か
繋がるのは蒼い鎖かくれないの糸か
わからない未来はちょっと危ないまま
そこに在る一夜で芽生えた恋心
魂と魂をいだきあい温めるしめやかな雲の骨