あね
久しぶりに
戻ってきたら
あねが
出迎えに来てくれていた
ニカッて笑う笑顔は
3年前と
全く変わっていなかった
走りつづけると
よく知った街並みだった
気がつくと
海だった
あねは
いつも僕の云うことなんて
聴きもしないで
やりたいことを
やりたいときに
やりたいように
やるだけだろ
ハンドルは
いつも
あねが
握ってる
ちいさく
窓を開けると
潮の香りが
粒子になって
僕の鼻腔を
刺激する
大きな橋をわたるとき
夕刻のオレンジ色の光が
僕の黒目を濡らしそうになる
海が静かに変わらずに
いてくれるようにみえる
その
海だったら
狂おしいあなたへの想いを
いまは許してくれるよう
告げては
いけない
あなたへの
この想い