少しだけ泣いたはなし
なにもわからないのは、
あたしが馬鹿だから、なのか?
語った言の葉が
ただ
夜の美しさだけを
積み重ねてほしいと
希ってかなわなかったのは
あたしの言の葉が
醜かったから、だけなのか?
ほんとうならあたしは
夜空を
泳ぎたかったよ
そんな夢さえ
みてはいけないらしいと
少しだけだけど
銀色に輝く月をみて
泣いて
そう想った夜の静けさが
どこまでも更けてゆくのが
怖くて
もう一度
少しだけ
泣いた
どんなに
鋭いナイフで傷つけてしまっても
心の花は
なんども
なんどでも
咲き誇ってくれるでしょう?
それは
あたしの人生を生きてゆくうえで
最後まで生きてゆこうと想える
痛くて悲しいけれども
けして弱くは無い
希望の光だったり
するのです
あのとき
君に訊かれた
悲しみの問い掛け
「あなたは私がいなくなっても
ちゃんとできる?」
あたしがそのあとの
なにもない平坦な人生を
ひとりっきりで
生きる姿が
君には
みえていた?
あたしを孤独にしたのは、あたし?
なにもわからないのは、
あたしが馬鹿だから、なのか?
夜よ
夜には夜の熱量があって
そして
君とのいちばん大切な想い出を
ただ守りたいという希いが
あたしの熱量の
ほぼ全てだ
夜空を泳ぎたいという
どの街の街路樹の根っこあたりにでも
コロコロと転がっている
ありきたりで
しかも叶わない夢を
祈る資格さえ
あたしには
無いというのなら
はるかなる
君を想って
はるかなる
君の姿を探せなくて
ただ無数の
今夜の星座たちを
外套のようにこの身に纏い
君に
逢いたいと
気持ちばっかりが先走っても
この場から動けずに
やはり………
あのとき
君に訊かれた
悲しみの問い掛け
「あなたは私がいなくなっても
ちゃんとできる?」
できるわけ
無いって
想い知らされる
だけ
どんなに
鋭いナイフで傷つけてしまっても
心の花は
なんども
なんどでも
咲き誇ってくれるでしょう?
それは
あたしの人生を生きてゆくうえで
最後まで生きてゆこうと想える
痛くて悲しいけれども
けして弱くは無い
希望の光だったり
するのです
その言の葉の
正しさが眩しくて
眩しくて
眩しくて
眩しくて
あまりにも眩しすぎて
そして
もう一度
少しだけ
泣いた