綺麗な夢のうた
泉に映る夜空
ちいさな波も立たない鏡
みあげるとキラキラの
新しい星月夜
花火なんて打ち上げなくても
風さえ吹かない秋の鏡面に
新世界へ届く扉が開く
どこかへゆけるかなと僕は
その扉が開くのをいつまでも待っている
空を飛べる翼なんて
持たない夜に秋の虫たちが
耳に沁み入る涼しい歌を
歌ってくれているみたいだ
僕はなにも持たないけれど
自由な言葉だけは持っているよ?
どこへゆきたいのかもちゃんと
言葉にできない夜にひとり佇むよ
君はあの夏の花火を想い出して
君の家でレモンでも齧ってる?
酸っぱい顔してさ
君の耳に秋の虫たちの歌は聴こえてる?
泉の中のどこかへゆける扉が
君の家へつながってるって夢?
君の耳にこの森の虫たちの声が
聴こえていればいいな綺麗な夢の歌