ポエム
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綺麗な夢のうた


  

泉に映る夜空
ちいさな波も立たない鏡
みあげるとキラキラの
新しい星月夜

花火なんて打ち上げなくても
風さえ吹かない秋の鏡面に
新世界へ届く扉が開く
どこかへゆけるかなと僕は
その扉が開くのをいつまでも待っている

空を飛べる翼なんて
持たない夜に秋の虫たちが
耳に沁み入る涼しい歌を
歌ってくれているみたいだ

僕はなにも持たないけれど
自由な言葉だけは持っているよ?
どこへゆきたいのかもちゃんと
言葉にできない夜にひとり佇むよ

君はあの夏の花火を想い出して
君の家でレモンでも齧ってる?
酸っぱい顔してさ
君の耳に秋の虫たちの歌は聴こえてる?

泉の中のどこかへゆける扉が
君の家へつながってるって夢?
君の耳にこの森の虫たちの声が
聴こえていればいいな綺麗な夢の歌





24/01/21 12:38更新 / 花澤悠



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