ポエム
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僕の生きる理由







その暖かい視線に驚いて振り返ると
君はその夜も凍りながら笑っていた
僕のために振り絞った笑顔
僕の心をじんわりと温めてくれる

溶けた氷は冷たく僕の瞳のはしから
ひとすじツーって流れ落ちたね
骨を削るほどに尖った鋭い孤独さえ
蕩けさせてくれる柔らかな肌

濃い赤色の唇が吐息を漏らすのは
しあわせという嘘を舐めつくしたあと
悲しみの日々に慣れてしまった君の
慰安の言葉は意地でも明るい声だったね

それで自分が嘘つきだからと
生きるのが楽しいひとに憧れると
云わなければならないと
いつも凍って泣いている夜の部屋で

うすら汚れたあの真実への憧憬を
もう一度だけでも取り戻すことができれば
しあわせに戻れるかもしれないという
大嘘に溺れっちまったみたいな凍える

凍える心を切り裂きたいが切り裂かない
君がいてくれるから生きられると
たったひとつの生存理由だけ照れながら
この心に刻みつけておけばいいそれでいい








24/01/21 07:38更新 / 花澤悠



談話室



■作者メッセージ
ただの恋歌を、ややこしくすんじゃねぇ、というご指摘はその通りだと、深く反省しております。ま、照れ隠し、だとかその辺りで、おさめておいて、もらいましょうか、ね?

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