ポエム
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冬の昼の月
 

なぜ昼に月がみえるのか
理由はかつては知っていたが
いまはもう
忘れてしまった

有名な店に
ランチを食べにゆく
天気予報は曇りだと云ってた
それでもいまは
束の間の晴天

つかえていた胸の異物が
スーッと
溶けてなくなるような
感じ
『これでいいのだ』と想う


まるで誰かのパパみたいだなと
想うとかすかにくちびるが緩む

晴れた冬の月は
ひんやりと
うっすらと
青空に溶け込んでいるようだ

すこしまえに通り過ぎた
飛行機雲が次第にぼやけてゆく
いずれ青空に吸い込まれるのだろう

そのあと雲は
どこまでゆくのだろうか?

陽の光が鼻の奥をくすぐり
思わずくしゃみが出そうになったので
慌てて前を向いて
ランチへ向かう足どりもかるく




24/01/12 19:38更新 / 花澤悠



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