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空は傷つかない

  

傷つかない

傷つかないと
想いつづけて静かに生きる

虎みたいに
なりたかった幼いころから
いつだって
強く
強く
強くありたかったよ

気がつくと
強いってことは
傷つかないことだと
想っていたよ

いつだって
マスクして

いつだって
メガネをかけて

ほんとうのじぶんを
悟られるのが怖くて
できるだけ
黙って
生きてきたつもり

そして心は痩せて行った気もする

首を縦に振って
生きてきたつもり

それでその場がうまくおさまれば
いいからって

いつだって
生きたいからという理由だけで
生きてきた
つもり

罪を問われても
黙って
いるよ

恥を問われても
黙って
いるよ

無口な悲しみを
そっと
大好きって
想ってるんだ

だれもかれも
夜はすこしホントのじぶんになれる

いつのまにか
純情可憐な
あなたに出逢えたりするかな?

失敗のない人生なんて
ないってことだけは
いくら悲しみをクリアしても
いつまでもつづく
最悪だって?

あの
ユーメーな言葉
知ってる?

最悪だって
云えるいまは
決して最悪のときではないんだってさ

私は決して傷つかない
って
青空だとか
星空だとかに
向かって叫ぶ
自由もあるよね?

すべてを超えて
大きな声で
しあわせだって
叫びたい

いつも黙ってるのは
恥ずかしいからだよ?

なら
だって
恥ずかしいと想わないと
私が想い込むんだから

そのとおりに
なるのでしょう?

いつも黙ってるのは
賢いふりをしたいから

いつも黙ってるのは
ひとに笑われたくないから

けど
そんな想い
きっと間違ってて

完全完璧なものなんて
この世界にないのだとしても

新しい日々は
いつだった
だれにだって
平等に拓かれているだろう?


正しい人生なんて
きっと
ないよ?

世界をできるだけ知りたいと
想うよ
世界をできるだけ受け入れたいと
想うよ

空がいつだって
空であるように
朝の赤い空や
真昼の青い空や
夕べのオレンジ色の空や
夜の
星々煌めく賑やかな空や

ひとはみんなひとりきりで
生きてゆけないものだから
せめてゆっくり空をみあげて

好きになってと
ちいさく希う

私はぜったいひとりになっても
傷つかないから好きになってと
ちょっとちいさな嘘を
つくかも

好きになってと
そっと呟く








23/12/27 21:07更新 / 花澤悠



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