はるかなる君のこと
なにもわからないのは、
あたしのせいなのか?
はるかなる君への想いを寄せて
語った言の葉が
ただの使い古した姿になった夜、
ほんとうならあたしは
徹底的に
死にたいくらい
暗く絶望しても
良かったよ、な?
そんな夢物語さえ
なんの意味もないと
断じ切ってしまう世界なら、
あゝ、
そんな世界なら、
あたし、
いらないッ!
と、
心を自分で傷つけてしまっても
良かったよ、な。
それを知らないふりして
あたしの人生なんて
だれかに自慢できるものでも無いし
なんて
想い込んでしまっても良かったよ、ね?
あたしも、
弱くて、ね。
あのとき
君に訊かれた
悲しみの問い掛け
「あゝ、君
腰まで伸ばした髪を
切ったんだね?」
あのとき
髪さえ切らなければ、
あたしはそのあとの
悲しみの人生をひとりぼっちに
ならずに生きられたのか?
あたしを孤独にしたのは、あたし?
夜よ、
君に。
そして
君のいちばん大切な想い出を
ただ守りたいと
希う。
はるかなる
君のしあわせを祈る。
祈る資格さえ
あたしには
無いとだけは、
云わないで。
いつも希うのは
はるかなる君の美しい声、
輝く星のような君の姿、だよ。