チープなうた
生きるなんて
簡単で
とても大事なことさえなければ
涙を流すこともない
生きることなんて
簡単で
はなうた歌って踊ってたらいい
音がハズレていてもいい
お願いだから
光を浴びて
お願いだから
闇をみないで
お願いだから
寂しさなんて
みんなが抱いてる
ものみたいだから
でもねたとえば今夜だけでも
涙を流してみてもいい
ひとりで凍えてみてもいい
嫌なことなどほおりだしてさ
生きることなど簡単で
夢をみるより簡単で
夢に殉じるほどでもなくて
ただ流星が流れる気持ちを
この気持ちだけ伝えなくちゃね
生きることなど簡単で
だれよりも辛い目にあったって
恥ずかしいど逃げちゃおう
生きることって
簡単で
だけどそれから逃げたい弱さを
知っているから逃げ延び生き切る
雪の玉を夕日に透かした輝きが
忘れられない
真っ白なものが
朱色のきれいな輝きに染まる
生命の証みたいな温かさが
きらきら
なんども
みえた気持ちにさせられた
人を好きになるって
感情が
人を好きになるって
恐怖が
人をみあげてしまう
憧憬が
けっしてうしろむきでない
やがて訪れる夜に染み込むように
静かに
朱から変わる
わずかなとき
生きてゆくのには
あんまりたくさんの正しさだけでなく
うっとおしほどリアルな嘘も
生きてく命に
埋め込んでしまうもんだもんね
涙が出るわけが
玉ねぎをむきすぎるからだとしたら
この悲しみのような儚い色は
ただの病いを抱きしめているようなものだ
生きるために、生きる
でも、いいと想うこと
じゃなくても心を込めてうたうこと