ポエム
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夕日のビー玉


  

ビー玉を夕日に透かした輝きが
忘れられない

深いけれども透明な
緑色の中に
生命の証みたいな泡が
何個も
何個も
浮かび上がって
人が人を好きになるって
感情や
激情や
憧憬が
けっしてうしろむきでない
黄昏に染み込むように
静かに
朱に変わる


安めのソフトクリームをちゃんと舌で舐め
生きてゆくのには
あんまりたくさんの正しさだけでなく
うっとおしほどリアルタイムの
生きてく命を
測ってしまうものな

玉ねぎをむきすぎると
涙が出るんだとしたら
この悲しみのような儚い色は
ただの病いを抱きしめているようなものだ


生きるために、生きる


でも、いいと想うこと


じゃなくても心を込めてうたうこと







23/11/06 23:48更新 / 花澤悠



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