夕日のビー玉
ビー玉を夕日に透かした輝きが
忘れられない
深いけれども透明な
緑色の中に
生命の証みたいな泡が
何個も
何個も
浮かび上がって
人が人を好きになるって
感情や
激情や
憧憬が
けっしてうしろむきでない
黄昏に染み込むように
静かに
朱に変わる
安めのソフトクリームをちゃんと舌で舐め
生きてゆくのには
あんまりたくさんの正しさだけでなく
うっとおしほどリアルタイムの
生きてく命を
測ってしまうものな
玉ねぎをむきすぎると
涙が出るんだとしたら
この悲しみのような儚い色は
ただの病いを抱きしめているようなものだ
生きるために、生きる
でも、いいと想うこと
じゃなくても心を込めてうたうこと